朝ドラの流れに乗っても乗らなくても興味深い、本場における〈ブギウギの誕生〉を小出斉の確かな選曲でコンパイルした一枚。1920年代末にブルースの範疇で人気を博したブギウギが30年代から戦後にかけて流行していく様子を20曲で気楽に辿れる。〈ブギウギ〉という用語を初めて使用したというパイン・トップ・スミスの“Pine Top’s Boogie Woogie”(29年)をはじめとする戦前の楽曲をメインに、〈ブギの女王〉ことハッダ・ブルックスの“Bully Wully Boogie”(48年)などリズム&ブルース~ロックンロール前夜のナンバーまで、何かの定型が生まれていく時期ならではの瑞々しさや楽しさが伝わる好盤だ。