近年はフレッド・アゲインやスクリレックスと共に大型フェスのメイン・ステージを務めるなど、意外な陽キャ(?)ぶりを披露していたキエラン・ヘブデンだが、通算12作目となるアルバムでは従来の〈フォー・テット〉モードでファンの期待に見事に応えている。タイトにまとめたブレイクビーツの上で美しいピアノの調べが躍る“Loved”、シンプルながらフロアでの破壊力抜群の美麗ミニマル“Daydream Repeat”、疾走系クリック・テクノ“31 Bloom”、ラストを飾る壮大なスケールのシューゲイズ・ビーツ“Three Drums”など、収録曲の8曲すべてがアンセムたり得る充実の内容だ。