この7作目では、初期に顕著だった60~70年代ロックへの揺り戻しを感じさせる。その意味で原点回帰的だが、儚げでメランコリックな楽曲が放つ底知れない喪失感や無常観に、バンドとして伝えるべきものが確立されている。“The Waste Land”などではラフな演奏で突っ走るものの、本作で一貫して滲むのは哀感が混ざった希望で、それは美しく力強い。